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(7) 倉敷市の行政情報提供システム

倉敷市は岡山情報ハイウェイ構想とは別に、独自の情報化を構築中である。

倉敷市では毎年市民アンケートを実施して、市政にとっての望ましい行政情報システムを模索してきた。同市のテレトピア構想では、このアンケート結果を活かし、あらゆる人に対応した情報システムの構築をめざしている。例えば、目の不自由な方には電話で、耳の不自由な方にはファックスで、というように情報提供の方法をいくつか用意する。

行政情報は今まで広報紙だけで行っていたものを、公共施設に置かれた利用者端末機(タッチパネル式、現在設計中)や電話、ファックスからでも入手できるようにしていく。端末は有人の施設に置くのが望ましいとの考えで、図書館や公民館等のエントランス・ホールに設置されるため、利用時間は午前9時から午後5時ないし7時までと限られるが、導入台数は現在の10台から将来的には数十台にまで増設される予定である。市内各所で行われる各種教室など生涯学習情報も、電話やファックス、公共施設の端末から入手することができる。また、スポーツ施設等の利用予約は、予約受付当日に早朝から順番待ちの列に並ぶため、学校や会社を休む事態も見られた。このため端末から検索や予約ができるシステムを構築し、現地まで出かけて列に並ばなくても、端末から一定の期間内に予約すれば抽選への参加資格が取得できるようにする。抽選権取得者は後日集合し、じゃんけん等により施設利用権を獲得する。施設利用状況等の情報も電話、ファックス、パソコン通信等の複数の手段で提供される。

FM放送では市への来訪者に対する観光情報やイベント情報、道路情報、駐車場情報等の提供をするほか、災害発生時の市民への情報提供手段としても活用する。また、コミュニティ情報の提供手段としても利用する予定で、番組制作を一部市民に委ね新鮮で多様な情報提供が行われる体制を整えていく。

CATVやインターネットを利用した映像による情報提供にも取り組む。市議会情報や市民活動、生涯学習講座等を映像で提供し市民活動を幅広く紹介する。市民のインターネット利用については、インターネットエキスポに倉敷市自ら参加し、全国アンケート集計の結果を待っているところである。CATVによる高速広帯域の県内情報網構築については、既に加入している世帯と不公平になるとの考えから、新たにCATVに加入する世帯への補助は行わない。しかし、CATVによる市民への情報提供については積極的に行う方針で、内容の魅力が加入率アップにつながることを期待している。

 

 

 

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